厚生労働省は令和元年12月27日、第89回社会保障審議会介護保険部会、介護保険制度の見直しに関する意見のとりまとめを発表した。

今回の制度見直しは、2025年に向けた地域包括ケアシステムの推進や介護人材不足への対応、そして2040年を見据た地域共生社会の実現を目指、制度の持続可能性を確保しながら、自立支援・重度化防止や日常生活支援等の役割・機能を果たし続けられるよう制度の整備や取組の強化を図るものとされている。

この資料では、2040年には介護サービス需要が更に増加・多様化する一方これからの担い手の減少が顕著となるなかで、高齢者を支える「地域包括ケアシステム」は、地域共生社会の実現に向けた中核的な基盤の軸となるものであり、2025年→2040年を見据え、地域共生社会の実現のためにも介護保険制度の見直しが必要とされた。

一般介護予防事業等の推進

住民主体の通いの場の取組を一層推進 ・通いの場の類型化 ・ポイント付与や有償ボランティアの推進等による参加促進 ・地域支援事業の他の事業とも連携した効果的な実施 ・医療等専門職の効果的・効率的な関与 ・関連データも活用したPDCAサイクルに沿った取組の推進 ・通いの場に参加しない高齢者への対応

総合事業

事業の対象者の弾力化(要介護認定を受けた者) ・国がサービス価格の上限を定める仕組みの弾力化 ・総合事業の担い手を確保するための取組の推進 (有償ボランティアに係る謝金の支出、ポイント制度の創設) ・保険者機能強化推進交付金の活用等による市町村の取組、 都道府県の市町村支援の促進 ・就労的活動等を通じた地域とのつながり強化等のための環境整備

ケアマネジメント

介護支援専門員(ケアマネジャー)がその役割を効果的に果たし ながら質の高いケアマネジメントを実現できる環境を整備 ・多分野の専門職の知見に基づくケアマネジメント(地域ケア会議の活用) ・インフォーマルサービスも盛り込まれたケアプランの作成推進 ・公正中立なケアマネジメントの確保、ケアマネジメントの質の向上 ・質の高いケアマネジャーの安定的な確保、ケアマネジャーが力を発揮 できる環境の整備、求められる役割の明確化

地域包括支援センター

〇増加するニーズに対応すべく、機能や体制を強化 ・センターの運営への保険者(市町村)の適切な関与 ・センターと既存の社会資源との連携による地域の相談支援機能の強化 ・介護予防ケアマネジメント業務の外部委託を行いやすい環境の整備 ・保険者機能強化推進交付金の活用等によるセンター体制強化の推進

本部会では、持続可能な制度の構築のため、給付と負担についての議論が行われてきたが、「補足給付に関する給付の在り方」と「高額介護サービス費」について、以下の方向性が示された。一方、その他の論点については、「引き続き検討」とされた。

給付と負担

補足給付に関する給付の在り方
負担能力に応じた負担とする観点から、施設入所者に対する補足給付、ショートステイの補足給付及び補足給付の支給要件となる預貯金等の基準の精緻化を図る

高額介護サービス費
負担上限額を医療保険の高額療養費制度の負担上限額に合わせる